食べ物に関する豆知識:りんご
「1日に1個のリンゴは万病を退ける」というのは西洋のことわざですが、これはドイツの科学者モローが、下痢で苦しむ子供たちにすりおろしたリンゴを食べさせたところ、子供たちの腸の機能が改善されたことに由来しているのだそうです。
欧米化する食生活に伴なって、日本では腸疾患が急増し、リンゴの整腸作用が再び注目されています。身近な果物「リンゴ」には、いったいどのような力が秘められているのでしょうか。
リンゴの滋養パワー
リンゴパワー1ペクチン
リンゴに含まれるペクチンは食物繊維の一種で、腸内環境を整え、悪玉菌の活動を抑える働きがあります。リンゴペクチンは空気にも強く、切る、すりおろす、加熱などをしてもその効果は変わりません。また、リンゴペクチンには善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールを抑制する効果もあるそうですよ!
リンゴパワー2カリウム
カリウムには体内の余分なナトリウム(塩分)を排出し、血液の流れを改善してくれる働きがあるため、血圧を下げる効果があるそうです。塩分摂取量が多い東北地方の人は全国平均と比べて高血圧ですが、リンゴを多く食べるリンゴ農家の平均血圧は全国平均並なのだそうです。これもリンゴの力でしょうか!?
リンゴパワー3リンゴ酸
リンゴの酸味となるリンゴ酸には体内で栄養をエネルギーに変えるクエン酸サイクルの活動を活発にする働きがあります。このサイクルが活発になると、疲労物質である血液中の乳酸を浄化し、血液弱アルカリ性に変え疲労を回復します。
リンゴパワー4リンゴポリフェノール
リンゴのポリフェノールはお茶にも含まれている「エピカテキン」と言う成分で1998年に発見されました。しかも、お茶が単量体のエピカテキンなのに対し、リンゴは多量体のエピカテキンのため、同じ量でも効果が高いのだそうです。エピカテキンは皮の部分に果肉の4倍も含まれているので、老化防止を心がけるなら、リンゴは皮ごと食べるほうが効果的です。
おいしいリンゴの見分け方
リンゴを買うときには、色が赤いものや「蜜」が入っていそうなものを選ぶ人が多いようですね。
そもそもリンゴの蜜とは、身が完熟したあかしで、「ふじ」の品種に多くみられる現象です。水分とソルビトールという糖の一種がこの蜜の正体です。実は、この蜜の部分よりもそのまわりの果肉のほうが甘いというのを知っていますか?
店頭に並んだばかりの新鮮なリンゴには、たっぷりと蜜が詰まっています。それが、時間と共により糖度の高い果糖に変化し、はじめてリンゴが甘くなるのです。
リンゴ選びのポイント1重さ
大きさが同じくらいのリンゴでも持ったときにずっしりくる思いリンゴのほうが蜜がたっぷり詰まっているそうです。
リンゴ選びのポイント2ツル(じく)
リンゴは枝で太陽を浴びるほど実が熟成して甘くなり、ツルが太くなります。つまりツルの太さは熟成の長さなのです。
リンゴ選びのポイント3色と形
蜜の入ったリンゴは、方の部分が張っていて凹凸が大きく鋭角です。逆に蜜のないリンゴは肩がなで肩でカーブもなだらかです。また、リンゴの赤色が鮮やかなものほど、木の上でお日様を浴び、完熟したと言う証です。
リンゴの保存法
リンゴが最も嫌うのが温度差です。リンゴを保存するなら、できるだけ暖房の届かず、人の出入りが少ない場所が理想的です。キウイやバナナなど追熟するものとは別にしましょう。