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発酵トピックス

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食べ物に関する豆知識:甘酒

甘酒の話

現在、甘酒は桃の節句や冬場に飲まれることが多いですが、江戸時代から庶民の手軽な滋養強壮などの栄養飲料として親しまれていました。そのころ、甘酒は冷やして飲まれることが多く、その証拠に甘酒は夏の季語にもなっています。豊富な栄養面からも夏バテの特効薬として活躍していたそうです。

甘酒の歴史

米が作られるようになった頃は、生米を水に浸して柔らかくして砕いたものを、口で噛み、唾液アミラーゼででんぷんを糖化させ、野生の酵母発酵でお酒を作っていたようです。日本書紀に「天甜酒」という酒が登場します。この酒は、アルコール分が 少なく甘酸っぱくてとろみのあるお酒で、これが甘酒のルーツです。
唾液が米を甘くすると言うことに気が付いた昔の人はすごいですね!
室町時代になるとやっと、お酒も行商で一般に売られるようになりました。しかし、このお酒も今の日本酒とは違い、やはり麹の糖化に重点をおかれた甘いお酒だったようです。このように麹を糖化させてつくる甘いお酒や、固体の粕を溶かして飲む甘いお酒が進化してアルコールを含まない「甘酒」になりました。
江戸時代、町では行商が盛んになります。その当時の庶民の暮らしをしるした「守貞漫稿」では夏に「甘酒売り」が登場します。
(関西では夏の風物詩ともなっていますが、江戸では当初冬の飲み物として甘酒がとらえられていました。しかし文化年間より四季を通じて売られるようになったようです)

甘酒の効能

●甘酒のいいところ
お酒には、食欲の増進と善玉コレステロールの増加、老化や痴呆の防止、ガンの抑制作用など、多くの効能があるそうです。昔からよく云われてきた「酒は百薬の長」とは、どうやら、飲べえのただの言い訳ではなかったようです。
また、酒粕にも同じような働きがあり、その上美白効果まで期待できるといいます。ただ、欠点が一つ(最大の長所でもある)アルコール分があること。
その点、ノンアルコールの甘酒は、発酵食品のいいところだけを最大限に生かせる、健康食品なのです。世界の長寿国と呼ばれるところには、たいがい発酵食品が存在していて、ブルガリアのヨーグルト、アメリカはバーモンド州のアップルビネガーなどが有名ですね。
●甘酒は点滴!?
甘酒には、「こうじ菌」によって作られたブドウ糖が20%以上、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・パントテン酸・ビオチン・イノシトールなどのビタミン類、さらにアミノ酸も豊富に含まれていて、現代の医学でいえば、病院で行う点滴による栄養剤の補給と同じ効果があると言われています。昔の人がその効能を知ってたとは思えないのですが、それに生姜(殺菌効果や保温効果、血行不良の改善等の働きをする)を入れて飲んだのですから、おそるべきは江戸町民の知恵と勘!ということになります。
●甘酒はヨーグルト!?
甘酒は、ヨーグルトや納豆、味噌などと同じく発酵によって作られた伝統的な日本の食品です。発酵食品はビタミンや必須アミノ酸といった人間にとって不可欠な物質を多く含んでいます。まさに日本版の飲むヨーグルトです。ジャパニーズ・ヨーグルトとも言われるそうですよ。

甘酒を作ろう

【甘酒の作り方】

1. ご飯を炊きます。
2. 炊き上がったご飯を、しゃもじで切るように混ぜながら70℃ほどに 冷まし、米麹と70℃程度の湯を入れてよく混ぜあわせます。
3. 表面をラップで覆い、炊飯器にて一昼夜保温すれば完成です。
※甘酒の最適温度は55~60℃ですが、炊飯器を密封すると温度が70℃ほどまで上がるので、蓋を1~2cm開けたままにして、ときどきしゃもじでかき混ぜます。
※米はうるち米よりもち米を使用したほうが、甘味のある甘酒になります。

飲み方

お湯で約2倍に薄めて飲みます。牛乳やソーダなどで割っても美味しいです。


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