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発酵トピックス

発酵トピックス

調味料に関するお話:味噌

雑学

栄養と働き

味噌は、主原料の大豆に麹(こうじ)と塩を加え、これを発酵、熟成させて作ります。
このときにもちいる麹に、米麹を使うと「米味噌」、麦麹を使うと「麦味噌」、豆と麹菌のみで作られるのが「豆味噌」です。さらに細かな製法の違いによって多くの種類があります。
味噌は中国で発祥し、朝鮮半島を経て、平安時代に日本へ製法が伝えられたといいます。最初に作られたのが豆味噌で、のちに米麹や麦麹を使う製法が誕生、江戸時代には一般庶民の間にも普及するようになりました。
一時、味噌は塩分過多の要因とされ消費が落ちていましたが、最近ではその栄養価値が見直され、健康食として高く評価されています。

栄養成分としての働き

味噌には原料に由来する栄養素に加え、発酵によってできるさまざまな有効成分も含まれています。
その主な栄養素は、タンパク質、カルシウム、カリウム、ビタミンB群、ビタミンE、レシチン、サポニン、イソフラボンなどです。
味噌のタンパク質は発酵によってアミノ酸に分解されるため、消化がよく、必須アミノ酸の含量も、たまごに匹敵するほど優秀です。
必須アミノ酸のメチオニンには肝機能を高める働きがあるので、酒やタバコの好きな人は積極的に味噌を利用するとよいでしょう。

また、サポニンやレシチンにはコレステロール値を低下させる働きがあり、血液をさらさらにするビタミンEも含有しています。
サポニンには中性脂肪やコレステロールを低下させる働きがあり、イソフラボンには乳がんや前立腺がんを予防したり、骨粗しょう症の予防や更年期障害を軽くする働きがあります。
さらに、発酵にかかわった乳酸菌などの微生物は、整腸をはじめとする体調維持に役立ちます。

調理のポイント

味噌には米味噌、麦味噌、豆味噌に大別され、さらに含まれる塩分によって甘味噌と辛味噌、色の濃淡によって白味噌、淡色味噌、赤味噌に分けられます。
その代表的なものは、米味噌が仙台味噌(赤・辛)、信州味噌(淡色・辛)、西京味噌(白・甘)、麦味噌が田舎味噌(淡色・甘、辛)、豆味噌が八丁味噌(赤・辛)。これらは単独で使うほか、何種類かを混ぜることで、よる複雑な風味を楽しむことができます。
夏は赤味噌の割合を大目にしてさっぱりと、冬は甘味噌を増やし てコクを出すとよいでしょう。
味噌を料理に使う際のポイントは、味噌汁の場合、食卓に出す寸前に味噌を溶き入れ、そのあとは沸騰させないこと。煮立てると味噌特有の芳香が飛んでしまいます。
また、サバの味噌煮などの場合はじっくり煮込んでやると、味噌の粒子が魚や肉の臭みを吸い取ってくれます。
購入の際は製造期日の新しいもを選び、保存は密封して冷暗所におきましょう。
塩分が気になる人は、ナトリウムの排泄を助けるカリウムの多い野菜やアルギン酸を含むワカメなどを加えて、具だくさんの味噌汁を飲むようにしましょう。
(小学館 食の医学館 参照)

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