酢の力
人類と酢の閑わりは古く、一説には一万年前とも言われています。
酢は単なる調味料としてではなく、病気に効き、健康を維持、増進する飲料として使われてきました。近年では科学的研究も進み、経験的に解っていた素晴らしさが続々と解明されてきています。
酢を病気の治療に用いるようになったのは、ギリシャ時代からで、医学者ヒポクラテスは回復期の病人に酢卵を飲ませたと云います。その他、紀元前3世紀には皮膚病や呼吸器閑係の病気の治療に使ったという記録があり、酢の積極杓活用が重要視されていました。更に、絶世の美女クレオパトラが、天然の真珠を酢に済かして飲み干したと云われ、美容飲料でもあったらしく又、古くから長寿者が多いことで知られたアメリカのrバーモント地方Jには、リンゴ酢とハチミツを用いた民間療法があり、後にバーモント健康法として広く普及することになりましたがここにも酢の効用が生きています。
血液をサラサラに
酢には酸性に傾いた血液を弱アルカリ性に改善する血液浄化作用があります。健康的な体の状態は血液が弱アルカリ性に保たれていることです。しかし、現代人の多くはストレスや不規則な生活などで体が酸性に近づいています。酸性気味の血液は汚れた状態でさまざまな病気を引き起こします。酢の効用とはこうした血液を浄化する作用です。酢の力で血液は酸性から弱アルカリ性へと改善していきます。ではどのようにして酢は血液をきれいにするのでしょうか。お酢を飲むと血液がサラサラになるというのはあながち噂とはいえない次のような根拠があるのです。
お酢の力で血圧上昇を抑制!?
高血圧一血圧が上がる原因は幾つも考えられます。
塩分の摂りすぎ、肥満、ストレス等々ですが、リンゴ酢を常用した場合、血圧の上昇が抑えられたという弘前大学の動物実験結果が報告されています。
これはリンゴ酢にナトリウム排泄作用、ナトリウム代謝異常を改善する作用のあることで、説明されています。
即ち、塩分の摂りすぎ等により過剰に溜まったナトリウムが血液壁に付着し血液の流れが悪くなり、その結果血液を通すため強い圧力が必要となって血圧が上昇する。
このナトリウムを適度に排泄してやれば、血圧は上昇しないという訳です。
また最近では、愛媛大学医学部奥田教授の発表で、血圧を上げる物質にアンジオテンシン転換酵素があり、酢にはアンジオテンシン転換酵素の働きを抑える作用が確認されました。
また、酢には利尿作用もあり体内の過剰な塩分が排泄され、塩の摂りすぎによる高血圧が防げます。
クエン酸サイクル
酢の成分の有機酸にはクエン酸というものが含まれています。酢を摂取しているとこのクエン酸による「クエン酸サイクル」がスムーズにまわります。通常、食物中に含まれているブドウ糖は、細胞の中で燃やされエネルギーを作り出しますが、その時に完全に燃焼されなかった燃えかすというのが発生します。そしてこれが酸性物質として体内に残ると体が酸性化して疲れやすくなったり、疲労が残りやすくなるのです。「クエン酸サイクル」とはこの酸性物質を減らす燃焼循環で、このサイクルがスムーズであると、体が理想的なアルカリ性に近づいていきます。
酢でダイエット!?
筋肉内の乳酸を分解し、やわらかくする→肩こりや眼精疲労の緩和
悪玉コレステロールを分解し、余剰の栄養分が脂肪になるのを防ぐ→ダイエット効果
腸の働きをよくし、消化を助ける→便秘解消
殺菌力があり、病原菌を殺す→防腐・抗菌作用
飲むお酢の作り方 |
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1日の所要量は30ml程度。 お酢1に対し、5倍から7倍の水で割るのが目安。 お酢30mlに水200ml(約6.5倍)酸味を感じる程度でも効果は得られます。 |
注意! |
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お酢は、強い酸性の液体であるためそのまま飲むと、胃などの粘膜を荒らしてしまう危険性があります。最低でも5倍以上に薄め、なるべく空腹時を避けて、飲むようにしましょう。 また、1日の所要量は30ml程度で十分効果が得られます。くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう。 |
なお、酢にはこれだけではなく以下のような様々な効能があります。
・カルシウム吸収(素材に含まれるカルシウムを引き出します)
・防腐・静菌効果
・食欲増進(酸味が摂食中枢に作用します)
・疲労回復(糖分と酢を同時に摂取するとグリコーゲンの再補充を促進します)
酢には上記以外にも様々な効能があります。お料理に積極的に活用して健康的な食生活をおくってみませんか?